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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第2章 出会い


 まだ薄らと星々の瞬きを感じられる明け方に、鬱蒼と茂る森を金髪の男が駆け抜ける。
男の体の至る所には血や痣が浮かび、激痛が絶え間なく襲う。
それでも足を止めるわけにはいかない。
後方からは、『どこに行きやがったぁ』『探せ!』と怒号が響いてくる。
捕まれば今度こそ殺されるだろう。
「・・・ッ」
男の視界が霞む。
連日に渡る拷問により、片目は腫れ上がり視界は不明瞭だった。
無論、食事も与えられず、眠る事も許されず、肉体的にも精神的にも限界は超えている。
明け方の森に、道を一瞬失った。
次の瞬間、大きな木の横から少女が現れた。
「?!」
驚いた少女の瞳が大きく見開かれた。
「!!・・・ックァッ・・・」
少女に激突しそうになった男は、咄嗟に体をひねり・・・激痛にくぐもった声を上げると、その場に倒れ込んだ。
遠くから近づいてくる足音と怒号。

“オヤジ・・・すまねぇ・・・”

金髪の男、マルコは薄れていく意識の中で敬愛する白ひげを呼んだ。
そんなマルコの耳元に響く優しい声。
「大丈夫、すぐに楽になるから・・・」
声の主を確認することなくマルコは意識を手放した。
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