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スパイラル 〜螺旋の先〜【気象系BL】

第15章 One Step


【潤side】

なんか…見てるこっちが恥ずかしいんですけど。

並んで楽屋に入ってきた二人を見て、昨日の夜も一緒だったんだって、すぐにわかった。

二人を包む雰囲気が、なんつーかピンク色で。
リーダーの気怠い感じが、昨日の夜の情事を連想させて。

まぁ、当然っちゃ当然か。
付き合ってるんだもんな。
隠す必要も、もうないんだし。

ニノの隣に座ったリーダーは、寝癖を指摘されて甘えるように翔くんを見た。

「あ〜、うん、まぁ、そうだね」

歯切れの悪い返事をしながら、翔くんは苦笑い。

「そんなこと言ってさ〜、翔ちゃんも同じ寝癖だったりして!」

なんて冗談っぽく言いながら相葉くんが彼のニット帽を取って。

「「「…………」」」

現れた、リーダーに勝るとも劣らない凄い寝癖に、俺たち3人は言葉をなくした。

…相葉くんのバカ…。

「…ご、ごめん…」

相葉くんはなぜか俺とニノに謝って。
翔くんの頭に、元通りに帽子を被せる。

翔くんは真っ赤な顔で、俺たちから目を逸らした。

…ほんと、やってらんねー…。

「あ、そ、そうだ!お土産、買ってきたから…」

慌てたように翔くんが言って、鞄をゴソゴソと漁る。

「はい、これ。急に休みもらってごめんな?ありがとう」

言いながら一人一人に手渡してくれたのは、夕陽とヤシの木とサーフボードの絵柄のTシャツ。

相葉くんは緑、ニノは黄色、俺は紫の色違いだ。

「ありがとっ!え、これもしかしてリーダーと翔ちゃんもお揃い?」

相葉くんが無邪気に聞いてる。

「いや…」
「俺らのは、鯨のTシャツだよ」

その問いかけにはリーダーが答えた。

「へぇ、鯨かぁ〜なんで鯨?」
「鯨見たから!スゴかったよ!スッゴい近くまで来てさ〜」
「へぇぇ!それ俺も見てみたいなぁ!」

リーダーは身ぶり手振りで鯨の話を相葉くん相手に楽しそうにし始めて。

翔くんはそんなリーダーを本当に愛しそうに見つめてた。

その顔を見てたら、胸の奥がチクリと痛んだけど。
それは、針で指したような小さな痛みで。

少し、ホッとした。

うん、大丈夫。
俺、ちゃんと翔くんのこと決着つけられてる。

ふと視線を感じて、それを辿ると、ニノがなんだか心配そうな顔してて。

なんだよ。
おまえに心配してもらわなくても大丈夫だっつーの。

心で呟いて、ニヤリと笑ってやった。


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