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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第19章 Border Love / 信長ルート





「私が、選ぶのは……信長様です」



舞は、信長の目を見て、はっきりした口調で言った。



(舞……)



「政宗、ごめん、私はやっぱり……」
「ん、解った」


政宗は何故か納得したように、頷き。
一回舞の頭を、ぽんっと優しく叩いた。


「そうだろうと思ってた」
「政宗……」
「信長様、俺はこれで失礼します」


そう言って深々と頭を下げ、政宗は席を立った。
舞は立ち去る政宗の姿を見ていたが……
政宗は一度も振り返ることもなく、天守を去っていった。



「名残り惜しいか、舞」



信長はいつまでも視線を上げない舞に問いかける。

心の中が、何故か釈然としない。
舞は自分を選んだと言うのに……


やがて、ゆっくり舞は顔を上げ。
信長に向かって、花のように微笑んだ。



「いえ……私は貴方を選んで、後悔していません」



その笑みに、心が締めつけられる。
何故、そんなに美しく笑えるのか。


「貴様は愚かだな」
「え?」
「俺は毎晩、貴様に夜伽を命じ、命令で貴様を服従させていたのだぞ。 逃げるなら恰好の機会だったと言うに」



(俺は、貴様の心が、狂う程に欲しい)



そんな事は言えなかった。
自分が、とても弱くなったようで……

天下を取る為、常に強い自分で在らねばいけない。

弱さなど、微塵も見せてはいけないのに。



(舞は、俺の心を簡単に奪った)



その苛立ちから、舞の身体を奪った。
しかし、あまりに健気に自分を受け入れる舞に。
己の身体まで虜にされていった。

既に、舞無しでは居られなくなる程に。



すると、舞は静々と信長に歩み寄った。
目の前で腰を降ろすと。
そっと信長に唇を重ねた。



「……っ」
「さっきの、お返し……です」




舞は恥ずかしそうに頬を染めた。





「私は、貴方が差してくれた紅が、とても嬉しかったんですよ」



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