第18章 Border Love / 政宗ルート
次の日。
二人は身体中が痛くて、起きる事が出来ず。
褥の中で、抱き合いながら、穏やかな時間を過ごしていた。
素肌でぴったり寄り添い、時々唇を重ねる。
一糸纏わぬ舞の姿が、政宗は愛しかった。
「舞、俺さ」
「うん」
「昨日、一瞬……お前の事、諦めてたんだ」
そう言って、舞の胸に顔を埋める。
「信長様の褥でお前を抱いて、それで満足してた。 お前が幸せなら、俺の腕の中に居なくてもいいのかな、なんて」
「政宗……」
舞は、政宗の両頬に手を当て、額に唇を寄せた。
ちゅ……っと音を立てて離れると、政宗の顔を覗きこむ。
「諦めないで」
「舞……」
「私、今すごく幸せだよ。政宗と一緒に居られるから……政宗に抱いてもらって、身体中痛くても、嬉しい事なんだよ」
舞の柔らかな声と言葉が、心に染み渡る。
覗きこんだ瞳は切なく揺れて……
政宗はくすっと笑って、舞の腰を引き寄せた。
「俺も、幸せだ。 こんな幸せ知ったら…もう離せない」
「うん、私も」
「それに……」
政宗は意地悪っぽく微笑む。
「こんな淫乱娘、俺しか相手出来ないだろ」
「な……っ!」
舞は絶句して、口をぱくぱくさせた。
「お前、昨日何回達した? 言ってみろ」
「ま、政宗も一緒でしょ……っ」
「別に悪いとは言ってねぇ、すごい可愛い」
「…………っ!」
顔を林檎みたいにさせる舞が愛しくて、つい脚を絡ませた。
途端に呼び覚まされる、身体の疼き。
あんなに抱き合ったのに、まだ求めてるなんて……
政宗は思わず苦笑した。
すると、舞も同じ事を思ったのか。
あからさまに挙動不審になる。
「……お前の今考えてる事、当ててやろうか」
「え……?」
「俺と同じ事だろ…? 淫乱娘」
「ん……っ」
唇を塞ぐと、その甘ったるい味が鼻を抜け。
思考回路も全て、蕩ける気がした。
二人の甘い時間はまだ終わらない。
むしろ、これから始まったばかりだ。
「舞、愛してる。 もう、離さない」
政宗は舞の温かな肌を感じて、一生守ってやると、心に誓ったのだった。
終