第14章 禁じられた遊び / 信長、政宗、秀吉
「骨の髄まで奉仕しろ」
信長様の命令に私は愕然とした。
そこに居合わせた、秀吉さん、政宗の顔色を伺う。
二人は顔を見合わせて、ため息をついた。
(私、どうなっちゃうの……?)
三人の軍議中に、私は天守を訪れた。
この前、政宗に教わったごま団子が上手く出来たから……
休憩がてら食べてもらおうって。
私が天守に行くと、三人は快く迎えてくれ、休憩に私も混じって、ごま団子を頬張る。
甘いのが苦手な秀吉さんも、ぱくぱく食べてくれた。
「へぇ、上手く出来たじゃないか」
政宗が関心したように言う。
「政宗の教え方が上手いんだよ、ありがとう」
「いつの間に、政宗に指南された?」
「三日前です。 私も甘味のひとつくらい作れなきゃなぁって」
信長様も、お団子を頬張って、心なしか、嬉しそうに見える。
(作って良かったな)
つい嬉しくて、三人の成り行きを見守っていると、信長様がにやりと笑って仰った。
「休憩がてら、少し遊戯など、どうだ」
「遊戯……ですか」
「西洋には『王様げぇむ』なる遊戯があるそうだ。くじで王を決め、民衆は王の命令を絶対聞かねばならぬ、とな」
(王様ゲームって!)
信長様はとんでもない遊びを見つけたなと思った。
(絶対、無事な気がしない……っ)
「へぇ、面白そうだな」
「命令が絶対って所が気にかかるがな」
なぜか政宗と秀吉さんもやる気だ。
私、あんまりくじ運良くなかった気がする……
「貴様ら、団子の棒を貸せ。 くじを作る」
と、信長様が自らくじまで作ってくれた。
王様と、1、2、3と棒に番号を振る。
「よいか。 何番が何番に、なになにをさせると言う命令の仕方だ」
「御意」
「では、始めるぞ」
信長様が番号を見えないように、くじを持つ。
私達は順番に、くじを引いていった。