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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第12章 純情アンチテーゼ〜蜜月〜 / 伊達政宗





舞が湯浴みから戻ってくると、政宗は部屋に居なかった。

部屋の中央には当たり前のように、布団が一組だけ。

舞は落ち着かなくて、そこに立ち尽くす。






昼間、想いを交わしあった。
お互いがお互いを好きだと思っていて……
当然のように、抱きしめ合い唇を重ねた。


『泊まるなら覚悟しろよ』と言った政宗。
つまりは、そーゆー事で。


舞は跳ね上がる心臓を抑えるように、胸に手を当てる。
すーはーと深呼吸していると。



「どうした……のぼせたか?」
「ひゃ……っ」


突然耳元で囁かれ、ドキリとする。
政宗が後ろから舞の腰に片腕を回し、顎を肩に乗せてきた。



「な、なんでもない……」
「そうか、ならいいけど。 これ飲むか?」


目の前で、瓶をちらつかせた。
綺麗な白っぽい液体が中に入っている。



「お酒?」
「ああ。 自家製の桃の酒だ、美味いぞ」


政宗は布団に座るように、舞を促す。
座ったところを見計らって、懐から杯を二つ出すと、杯にとくとくっと酒を注いだ。



「わぁ、いい匂い!」


匂いを嗅ぐと、丸みのある甘い匂いが鼻に抜ける。
舞は興味深々に、その酒に口を付けた。


「おいしいっ、自家製なの?」
「俺が浸けたからな」
「わぁ……さすが政宗」


口当たりが良く、まろやかな味わいの桃の酒。
つい美味しくて、喉に流し込む。



しばらく二人で酌み交わすと、舞がため息をついて、政宗の肩に頭をもたげた。


「どうした?」
「ごめん、ちょっと酔ったかも」


見ると、顔がほんのり上気している。
そして、ふわーっと猫のようにあくびをした。


「眠いか」
「少し……」
「またまだこれからが本番だぞ」
「え……?」


政宗が舞から杯を取り上げる。
すると、あれよあれよという間に、褥に組み敷かれた。


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