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sing sing sing!!!《短編集》

第20章 おそ松さん〈松野一松〉




ガタンゴトンと、電車に揺られながら
窓から流れる景色を眺める


珍しく一松からの誘いについてこれば
電車に乗りもう、何分経つだろう
長い間こうして2人
言葉を交わすわけでもなく
ただただ流れる景色を眺めている



チラリと隣を見れば
ポケットに手を突っ込んだまま
浅く腰掛け背中を座席に預け
だらりと足を伸ばしている
幼馴染がなにを考えているかわからない目で
窓の外を見つめている




そういえば、一松と2人で出かけるのなんて
何年ぶりだろう
はっきりと思い出せないほど前になる



『なんか、久しぶりだね』




「え?」




驚いたようにこちらを見上げる一松に
クスリと笑うと
『2人で出かけるなんて、久しぶりだよねっていったの』



そう言えば、また先ほどと同じ様に
視線を前に向けずれてもいないマスクを
直す仕草をすると
「初めてだよ、2人で出かけるのは」

なんてぶっきらぼうに答える。


『そうだっけ、でも何で急に誘ってくれたの?』



「なに、嫌だった?」



『嫌じゃないけど・・・』



『どこに行くのかなって』



そう言って私も、ゆっくりと窓の外の景色へと目を戻した
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