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sing sing sing!!!《短編集》

第20章 おそ松さん〈松野一松〉





他の兄弟は出かけたのか
部屋で1人ぼんやりと外をながめる



こんな日に限って友達も遊びには来ず
ごろりと横になる。




うとうとと瞼が重く下がって来た時
ピンポーンとチャイムが
昼寝の邪魔をする





小さな舌打ちをして
ゆっくりと玄関へと向かうと
ガラス戸から、見覚えのあるシルエットが浮かび上がる


ガラリと開ければ
自分より頭ひとつ分低いところにある
大きめの瞳が、にこりと細められる



『あ、一松だけ?カラ松いるー?』


そう言って、可愛らしく笑うのは
よく見知った幼馴染である。



「今出かけてるみたい」



『もー今時携帯持ってないと不便すぎだよ』



「家に電話してくれたらいい良いじゃん」




『あ、それもそっか』


気づかなかった!なんて言ってけらけらと笑う
は、おじゃましまーす。と
慣れたように靴を揃え
部屋へと階段を登っていく。



ふわふわと揺れるスカートを見上げ
もう少しもう少しと
期待の念を送れば
何かを感じ取ったのか
ばっとは振り向くと

『ジュースとお菓子もってきたよ。
一松も早くおいでよ』


そう言うと、軽くスカートを抑え
残りの階段を駆け上がる



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