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sing sing sing!!!《短編集》

第15章 食戟のソーマ《一色慧》





極星寮ではいつもの様に
丸井の部屋から賑やかな声が響いている




『伊武崎君!これ、凄く美味しいっ』



は、幸せそうな顔で
燻製卵へと箸を伸ばす



伊武崎はクスリと笑うと、の
ふっくらとした唇へと手を伸ばしそっと触れる



『?!』



「ついてる、食べカス」



そう言って、唇の端をそっと親指で擦ると
子供にするソレの様に優しくにいいきかす



「女の子なんだから」




『あはー、ありがとう』



伊武崎とが話していると
小さな叫び声が響き
いつもの様に創真の作るおつまみに
涙を流しながら食べている田所が
の元へ縋る様に寄ってくる




「ちゃん‥‥助けて」



『ん?今日のはどうだった』





「それが」「うめぇよ!?もどうだ」





は、創真がキラキラとした笑顔で差し出す
酸味の強い匂いを放つ下足に
眉毛を顰めると話をそらす様に
キョロキョロと目線を泳がす





『あ、そういえば一色先輩は?』



「いつもは1番騒ぐのにね、どこだろ?」





『私デザート作ったから取りに行くついでに
探してくるね?』



そろりと、創真へと視線を移し
『ほ、ほら。しょっぱいもの食べると甘いもの食べたくなるでしょ?』
なんて、言い訳をしながら
なおも緑色のオーラを放つ下足を
掲げる創真から距離を取る



「ちゃん‥‥」
裏切り者と言わんばかりの、田所の
切ない視線を振り切りパタリと扉を閉める




『恵‥‥goodruck』




しまった扉へ小さく呟くと
キッチンへと足を向けた。
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