第1章 気になるあの子
彼女がどこへ行ったのかなんて知らない。
けれど、なんとなく
「英二、朝はサボろうと思う。フォローよろしく。朝の借りだよ」
「えっどこいくにゃ?」
「ちょっと、用事」
「…ふ〜ん?いってらぁ〜!これで借りナシだかんなぁ!」
「よろしく頼むよ」
…屋上へ、行こうと思った。
ギィ…と音を立てる扉。
外の空気は気持ちいい…が、
(タバコの匂い…?)
貯水槽の奥からだ。
足音を立てず、こっそり覗いて見た、ら
「荒井さん…??」
憂いを帯びた目で、泣きそうな顔で
タバコを吸う彼女が居た。
童顔な彼女に、タバコは不釣り合いだった。
(というより、中学生で喫煙はダメなんだけど)
でも、ボクにはそれがとても
美しく、見えたんだ