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白い雪【名探偵コナン】

第27章 ギスギスしたお茶会


と、容疑者3人が即座に反論した。

「す、すり替えられるわけないじゃない!」
「彼女だけレモンを浮かべてましたし……」
「それによく見てみなさいよ!みんなの紅茶の色を!」

別府さん、高坂さん、八方さんが口々にそう言った。
見ると、3つ共紅茶の色が違った。右から茶色に青に黄色、被害者が飲んでいたのは赤っぽい紅茶だ。

(ペパーミントにバタフライピー、カモミールティー、そしてハイビスカスティーか……)

それなら確かに間違えようもないが、とにかく3人には身体検査と事情聴取を受けてもらうことになった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「はい、そうです……」

1人目、高坂樹理さん。

「皆さんのお茶は私が淹れました……。見舞いですけど、一応来て頂いたお客様なので……」

まぁ淹れたといっても、ティーカップにティーバッグを入れ、お湯を注いだだけなのだが。

「では、カップに触ったのはあなただけなんですか?」
「あ、いえ……。カップは八方さんや別府さんに戸棚から出してもらいましたから……」

高坂さんがそう言う。つまり、被害者のカップに全員の指紋が付いていてもおかしくない。

「しかし何であんなに色々な紅茶を?普通1種類ですよね?」

高木刑事がそう尋ねた。
高坂さんはハーブティー好きで、お見舞い品としてみんながよく持って来てくれていたのだという。それに八方さんも持って来ていたので、せっかくで飲み比べをしようという話になったのだというのだ。

「なるほど……。だとすると……飲み比べをしようと持ち掛け、なおかつお茶を淹れたあなたなら、3人の中で一番毒入りのお茶を出すことができるわけですな?」

小五郎さんに疑われ、高坂さんは「そんなことしてません!」とハッキリ言った。

「お湯を注いだのはみんなの目の前でしたし……須東さんは倒れる前に半分近くあのお茶を飲まれてましたから……」

高坂さんは自分のお茶と須東さんのお茶をすり替えたとしたら、自分の場合は一目瞭然。

「何でですか?」

私が不思議に思って尋ねると、高坂さんはちゃんと教えてくれた。

「だって私があの時飲んでいたのは、『バタフライピー』というハーブティーで……青い色なのですり替えたとしてもさすがに気づくと思います……。須東さんが飲まれていたのは『ハイビスカスティー』っていう赤い色のハーブティーなので……」

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