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白い雪【名探偵コナン】

第23章 服部平次と吸血鬼館


事件は無事解決。
私達は小五郎さんと大滝警部と合流し、車に乗って東京への帰路に着いた。
車中は事件の後日談で盛り上がる。

「『我が娘よ』?その計画書の出だし『我が娘よ』で始まってたのか!?」

旦那様は実の娘であるひかるさんに連続殺人をやらせようとしていたのだ。
犯行は全て吸血鬼になってしまった自分の仕業だと思わせて。

旦那様の動機は陽子様の敵討ち。
陽子様の事故死は羽川さんと麻信さん、守与さん、メイドの清水さんが企てていた。それを知った旦那様は4人に復讐を決意。

清水さんの殺しは旦那様の犯行。
旦那様は医者だったそうだから、血を固まりにくくさせる薬を飲ませ、首の動脈にカテーテルを刺して血を抜いたのだ。
彼女を棒に縛って逆さにしたのは、氷の車輪のトリックを分かりにくくさせるためだろう。

「んじゃ計画書をひかるさんが見てたとしたら……」

小五郎さんがそう言うが、助手席からコナン君が「大丈夫だよ……」と声をかけた。

「計画書の最後に『だが、お前が全てを許すというのなら私の体に巣食う復讐の炎と共にこの書を消してくれ』って書いてあったから……きっとひかるさん、そっちを選んだと思うよ?」

コナン君がそう言い、私はフッと息を漏らした。

「でも羽川さん……サイテーよね。実那さんとよりが戻るのを見越して計画書通りに守与さんを殺し、金を手に入れようとしてたなんて……」
「まぁ、アホな男やったっちゅうんは確かやな……」

平次君も呆れたように言った。

「ふふ、女は怖いからね……。気をつけてよ?」
「姉ちゃんも女やんけ……」
「そうよ?私は激怒すると笑顔になるから。絶対零度♪」

羽川さんに向けたあの笑顔を思い出したのか、コナン君は顔を青ざめさせた。

全てを許す……か。私には出来そうにない。

「許せない……。兄さん……」
「ん?何か言ったか?」

小五郎さんに訊かれ、私は笑顔を貼り付けた。

「何でもないでーす」

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