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白い雪【名探偵コナン】

第23章 服部平次と吸血鬼館


「あの窓の右上の1枚だけ、凸レンズになってました。そのレンズ越しだと、見る位置によっては逆さに見える……。だから下に落ちたのに上に上がったように見えたんです……」

それに、凸レンズの下の3枚は普通のガラスだから、首が下に落ちるところを見られたらアウト。つまり、あの時自分の体で下の3枚のガラスを隠せる羽川さんにしか出来ないトリックだったというわけだ。
首の着地点はあの窓の外のベランダに植木鉢と一緒に置いてあったツボの中。ツボは脇に寄せてあり、中にはまだ旦那様の首が入っていたし。

「まぁ、ひかるさんから『稲光でカーテンに映った旦那様の頭の影が下から出てた』って聞かなきゃ気づかなかったけどね……」

コナン君がそう言って不敵に笑う。

「その直後に窓の外に見えたでっかい鳥は……羽ばたき飛行機や!それを煙草部屋の外の屋根の上に置いてて、食堂の窓を開ける前にリモコンで飛行機のモーター動かしたら……窓開けた時に丁度、空の向こうに飛んでいくっちゅう寸法や!」

それを聞いた羽川さんが焦りながら平次君に言った。

「だ、だったらその森の中で殺されたハニーは?あれも俺がやったっていうのか?門番が目を離したのは一瞬だけで、ハニーは棒に縛られていたんだろ?ずっと館から外に出てねぇ俺にそんなこと出来るわけが……」
「氷の車輪だよ!」

コナン君が言った。

「絞殺した守与さんを縛り付けた棒の両端にバーベルのように氷の車輪を付けたんだ……。そしてトンネルを爆破させて門番が気を取られてる隙に、それを門の真ん前の階段の上から転がせば……遺体は指先を傷つけながら門を通り抜け、木にぶつかり森の中に留まるってわけさ!」
「後は、氷が溶ける時間を見計らって守与さんの携帯を鳴らし、門番さんに遺体を見つけさせるだけ……。今夜は蒸し暑くて、おまけに雨も降ってたし、 塩を混ぜて氷にしたようだから溶けやすかっただろうしね……」

私もコナン君に続けて言った。

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