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白い雪【名探偵コナン】

第23章 服部平次と吸血鬼館


『ええっ!?あれからまた1人殺されたやと!?ホンマか平ちゃん!』

平次君は群馬県警にいる大滝警部に電話をかけていた。

平次君の携帯から大滝警部や小五郎さんの声も聞こえる。

『ウチの娘と瀬里奈ちゃんは無事なんだろーな!?』
「そらもう……」
「私は無事ですよ、小五郎さん!蘭ちゃんは和葉ちゃんと一緒に餃子作ってるし……」
『餃子?』

小五郎さんが怪訝な声を出す。大滝警部が電話の向こうで焦りを見せた。

『ほんで?犯人はまだ分からへんのか!?』
「いや……そらもう分かってんねん!」

な、とこちらを向く平次君。コナン君と私はこくりと頷いた。
恐らく、このトリックなら──あの人にしか出来ないはずだから。

『んじゃさっさとふん縛ってワッパ(手錠)かけろワッパ!』
『ワッパって……』

大滝警部が電話越しに呆れた声をかける。
だが平次君は少し声のトーンを落として言った。

「それが出来ひんのや……。証拠もあらへんし……。まだ解けてへんトリックも……残ってるしのォ……。

なぁ?誰にも見られずに外に出て人の首絞めて殺した後、またこっそり門の中に戻ることって出来ると思うか?」
『はぁ?』

小五郎さんが怪訝な声を出す。
平次君は守与さん殺しの状況を説明した。

『そりゃー塀の内側で守与さんを殺して、塀の外に放り投げたんじゃねーか?』
「アホ!どんだけ馬鹿力やねん!」

平次君が思わずツッコむ。
ふと、私はコナン君のズボンの膝を見た。

「ん?」

私は跪いてコナン君の膝についている泥を指に取った。

「ねぇ新一……あんた、守与さんの遺体を調べた時、膝をついてたわよね?」
「ん?ああ……。でも、それがどうし
たって──」
「見てよコレ。泥の中に白い結晶が混ざってる……。コレ、塩じゃないかな?」
「塩?」

何であんな所に、と訝しむコナン君に私はパズルのピースがカチリ、とはまる感じがした。

「せやけど、なんぼジムでバーベル上げて鍛えたかて無理やろ?遺体は棒に縛られて……」

平次君の言葉に、私達3人はハッと気づいた。

……バーベル!

「これねではっきり分かったのォ……。開いては羽根の生えた吸血鬼なんかやないっちゅうことが……」
「そうね……鬼は鬼でも、吸血鬼じゃない……」
「鬼は鬼でも……殺人鬼だってことがな!」

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