• テキストサイズ

白い雪【名探偵コナン】

第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン


3人に一通り話を聞いてはみたが……

「ウーム……」

キッチンに残った7人は唸った。
どんなトリックにせよ、石栗さんの体を動かせるのは男の高梨さんくらいかと思っていたが……彼にはほとんど完璧というべきアリバイがある。

「うーん……部屋の外にいても死体をドアの近くにずらせるような仕掛けがあればなぁ……」

私はそう呟いた。
それに問題はそれだけではない。石栗さんの部屋の合鍵もそうだ。かなりの細身だから排水口にも捨てられそうだが、見つかったという報告はまだない。

「んじゃ、ゴミと一緒に捨てたんじゃねーか?」

小五郎さんの言葉に、園子ちゃんが反応する。

「ゴミなら私も蘭と出すの手伝ったわよ!」
「そのゴミ、もう回収されちまったんじゃねーか?」
「高梨さんの車のトランクに載せただけよ!」

高梨さんは「持って帰って出すから」と言い、2人にそう頼んだそう。

「他に、誰かに何かを頼まれたってことは?」
「んーっと……」

安室さんに尋ねられ、蘭ちゃんが思い出すような素振りを見せる。と、私が「あ、」と声を出した。

「琴音さんに『スポーツドリンクを冷凍庫に戻しておいて』って言われてそうしましたね……」
「スポーツドリンクを冷凍庫に?」

小五郎さんが怪訝な声を出す。
私はこくりと頷いた。

「ええ、凍らせて飲むのが好きみたいで……。ホラ、石栗さんが部屋から出てこないって騒いでた時、琴音さんが持ってたペットボトル……あれですよ」

ドリンクはほとんど凍っていたし、鍵なんて入らないはず。
後は──

「あ、そうそう、私のと蘭ちゃん達のラケットのグリップテープを巻き直してあげるって言われて……真知さんに預けなかった?」

私は2人に訊いた。2人は「そうそう!」と頷く。

「真知さん、テニスショップの店長の娘らしくてさ……」
「ついでにラケットのガットも張り替えてくれたんだよね!」

園子ちゃんと蘭ちゃんがそう話す。そのそばでコナン君が何かに気づいたような顔をした。

「新一?どうしたの?」
「いや……なんでもねーよ……」
「?」

/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp