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白い雪【名探偵コナン】

第20章 漆黒の特急──ミステリートレイン


電話を切ると同時に、ベルモットの携帯にメールが入った。

「そして私の仲間からのメール……。8号車で彼女を見つけたそうよ!残念だけど……私達の勝ちのようね……」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

8号車。シェリーとバーボンが話をしていた。

「バーボン……このコードネーム、聞き覚えありませんか?君の両親や姉とは会ったことがあるんですが……」
「ええ……。知ってるわよ……。お姉ちゃんの恋人の諸星大とライバル関係にあった組織の一員……。お姉ちゃんの話だと、お互い毛嫌いしてたらしいけど……」

諸星大とは、赤井の組織での偽名。
安室──いや、バーボンは余裕の笑みを崩さないまま言った。

「ええ……。僕の睨んでいた通りあの男はFBIの犬でね……。組織を裏切った後、殺されたっていうのがどうにも信じ難くて……あの男に変装し、あの男の関係者の周りをしばらくウロついて反応を見ていたんです……。お陰であの男が本当に死んでいるということが分かりましたけどね……」

彼を変装させてくれたのは今回、彼の代わりに赤井に化けてくれた仲間──ベルモット。

「さぁ……手を挙げたまま移動しましょうか……8号車の後ろの貨物車に……」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

──名古屋駅。

未だにホームで騒いでいる鈴木次郎吉相談役とそれを宥めている愛知県警。
それを陰から見ている黒服──ジンとウォッカが話をしていた。

「馬鹿な奴らだ……。到着と同時にホームに仕掛けたC-4で吹っ飛んじまうとも知らねぇで……」
「鈴木財閥の親玉や愛知県警のトップ連中がホームに群れてるのは好都合だな……。奴らの命(タマ)を狙った犯行だと勝手に勘違いしてくれるだろーぜ……」

ジンがニヤリ、と笑う。

「それよりベルモットとバーボンとルシアン……。どうやって列車から脱出するんで?知ってるんでしょ?爆破のこと……」

ウォッカがそう言うと、ジンは笑って背を向けた。

「さぁな……。俺の知ったことか……」
「え?でもベルモットに聞かれましたぜ?C-4が余ってんなら分けてくれって……」
「何!?」
「何に使うか聞いたんですが……はぐらかされちまいやして……」

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