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境界線。【安室透夢小説】

第10章 問.月が綺麗ですね。


くのえside


10年前に起こった事件か、あの人達が死んでからもうそんなに経ってたのか。
翠くんと過ごす10年ってあっという間だったな。
あの人達と暮らしてた数年間はあんなに長く感じたのに....。
そういえば、目暮に逮捕されたあの男の人はどうなったんだろうか。


「...... くのえさん。すみません。やっぱり今の質問忘れてもらって結構です。いい記憶ではないですもんね。」


安室さんはそう言うと車を発進させた。



「.....別に、大丈夫ですよ?...安室さん。迷惑でなければ、もう1日私の家に泊まりませんか? 翠くんもコナン君もいないし、2人でゆっくりお話でもしましょう。」


知佳君も無事だった。
私も逮捕されていない。
知佳君にもまた会える。


そのためか今日はとても気分がいい。
今だって10年前の事件のことを考えていたがどこも痛くないし、イライラすることもない。


今日ならなんでも話せる気がするし。
安室さんになら話してもいいと思える。
こんな話、今さら 翠君とすら話さないのに。

「迷惑ですか?」


「.....迷惑、なわけないさ!ただ、この前から思っていたんだけど、未成年の女の子の家に頻繁に大人の男性が泊まると言うのは、あまり世間体が良くないと思うんだよ。」

「.....どうしてですか?」

「どうしてって、なにか、その。間違いでもあったら..」

「ふふふ。間違い、ですか?まさか。」

「 くのえさんは、もう少し危機感を持った方がいいですよ。今だってこの車内には僕と くのえさんの2人。 くのえさんがどんなに嫌がって抵抗したって。僕がその気になれば、貴方の力では僕には敵わない。」

「起こすんですか?間違い。...ふふ。それはそれで見てみたいな。」

「またそうやって煽るようなことを。さっきのキスだって。一昨日の、部屋着も同じベッドで寝るとか言い出したり.....全く。貴方のことが心配でたまりませんね。」




「.....だって、それに安室さんは私が嫌がることしませんよね?」

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