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境界線。【安室透夢小説】

第9章 ××はいつも1つ。




「.....如月知佳を助けるために犯罪者になってもよかったということですか?」

「..........どうだってよかったんです。また社会的スティグマが1つ増えるだけ。」

「増える?」

「.....................................わぁ、綺麗。知佳くん起きて!夕焼け、綺麗だよ。」

「.....ん...もう、お姉さんのお家?」

「................今日はね、違う所に行くの。」

「そうなんだ。お姉さんと外にお泊まり初めてだね。やったー!」

知佳くんは夕焼けを見ながら鼻歌を歌っていた。
そんな彼を見ていると、身体的虐待・ネグレクトという言葉が頭に重くのしかかった。


「.....ねぇ、知佳くん。目閉じてて。どこに行くかはついてのお楽しみ。到着して私がいいよっていうまで目、開けちゃダメだよ。」

「うん!わかった!」





















そうして俺の運転する車は警視庁に到着する。
建物の前には目暮警部と白鳥刑事が立っていた。

「私が呼んだんです。話したいことがあるからこの時間に降りてきてって。」

「.....お姉さん、目開けていい?誰かいるの?」

「まだだめー。もうちょっと待ってて。このまま車、降りるよ。」

そう言って くのえさんは車の扉に手をかけた。

「....... くのえさん。本当にいいんですか?」

「.........はい。安室さんと一緒で私も今日はとても楽しかったです。ありがとうございました。......最後に一つだけ受け取ってほしいものがあるんです。」

「受け取る?」

「.....はい、大したものではないんですけど。安室さんも目を閉じて手を開いて前に出してください。」

くのえさんに言われた通り目を閉じ、手を差し出す。





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