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境界線。【安室透夢小説】

第8章 普通の定義を述べよ。





「やっぱり、こっちで待っていて正解でしたね。」


「..........;安室さん?どうしたんですか、こんなところで。」

くのえさんは僕の登場にかすかに眉をひそめる。
しかし、すぐに笑顔を浮かべた。

「貴女と、貴女の後ろにいる如月知佳くんと話がしたくて。」

「あぁあ、もう。これ以上隠すの無理ですね。...........どうして、出入り口から出てくると思ったんですか?」

「.....僕の身分確認も順番にせずにフロントマンが客の情報をペラペラと話すとは考えにくいですし、裏口?非常口にも念のため行ったんですが、鍵こそかかっていませんでしたが、ここ最近使用されていなかったみたいですし。」

「やっぱり探偵さんを撒くのは簡単じゃないってことですね。...........私のこと警察に突き出します?」

「.....その前に...

「 お姉さんは悪くないよ!!!!!」

くのえさんの、後ろに隠れていた少年が大声をあげ、僕の声がかき消される。

「知佳くん。大丈夫だから。...ちょっと待っててね。」

くのえさんは如月知佳くんに微笑みかけた。
知佳くんに待つよういうと、僕の近くまで歩み寄る。

「.....安室さん、お願いがあるんです。今日だけ見逃してくれませんか?安室さんの出す条件はなんでも飲みます。聞きたいこと知りたいことなんでもお答えします。今日の夕方には如月知佳は警察に引き渡します。」

「.....僕と取引をしようということですか?」

こんな条件を飲むなんてバカげてる。
こうしている今も、捜査はされているだろうし知佳くんのご両親も心配しているはずだ。

「取引、ですか?違いますよ。私から安室さんへのお願いです。...私のお願い聞いてくれなかったら、今知佳くんと一緒に死んじゃうかもしれません。」

「.....とてもわがままで脅迫じみたお願いですね。...いまから夕方まで一体何をするつもりですか?」

「少しわがままな女の子の方が可愛いでしょ?...知佳くんと約束してるんです。今日は一緒に動物園に行くって。...安室さんも一緒にどうですか?それなら、安心でしょ?」


































「知佳くーん!動物園、お兄さんも一緒に来てくれるって。」
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