• テキストサイズ

八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第3章 ページ3、光





「!


子供がいる!

ベッドにこんなに縛り付けられて…大丈夫か!?助けに来たぞ!」


必死に問いかけられる中

何も返せず、声も、言葉も出てはこなかった。


長年、何も話さぬまま、飲むことさえも出来ぬままでいたから

仕方ないともいえる。



私を生かしていたのは、きっと…

私の体内の魔(マナ)が、周囲から魔を吸い取って、栄養分にしていたからだと思う。


息に関しても
いじめられていた時に水に沈められていると、同じような現象が起きた。

体内で魔が酸素を作り出していたと解ったのは、その時だった。



「意識があるのに、精神が…!

今縄を解きます!」


やっと縄がぶちぶちっと千切られて解かれ、解放された。



しかし…

いたぶられてきた心までは、決して治ることはなかった。




会話さえも成り立たず、声も出ないそれに


遠くから、心配そうに見つめてくる視線が…

なぜか、温かく感じた。



それぐらいに…

心は凍えていたのだろうか……


その考えを最後に、意識を再び手放した。




それから後、結果として

ハーミット家の最後の生き残りを、どこの誰が引き取るかという話になり


ヴァーミリオン家が引き取ることとなった。



/ 484ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp