• テキストサイズ

幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第6章 第六章


「謝って…」
「おい、蛍…やめろって」

相手の審神者は鋭い刀を向けられて、ぐっと言葉が出ないようだ。ざわざわと街を歩く人達が怯えたように見つめている、止めに入る愛染くんの声を聞き戸惑う私は蛍丸くんに声を掛けた。

「蛍丸くん、駄目だよ…止めて?私は気にしていないし…」
「駄目。主が気にしていなくても…俺は許さない」

傷付いていない、気にしていない。確かにそれは嘘だ。でもだけど…そう私は思いつつ、審神者の前に出て庇うように蛍丸くんの目を見て駄目だと伝えた。蛍丸くんが扱う大太刀に優しく触れて撫でる。微笑みながらも頷く私に泣きそうな表情で鞘に収めた彼は、なんて優しい子なのだろうと抱き寄せた。

「ごめんね、私の為に怒ってくれたのに…」
「主、俺…」
「うん」
「主が駄目って言ったのに…言う事聞かなかった」
「でも止めてくれたでしょう?」

ありがとう…と呟く私に、抱き着いて来た蛍丸くんはポロポロと泣いていた。ぽんぽんと背中を撫でていれば後ろで怯えていた審神者が嘲笑うかのように鼻を鳴らす。

「お前が引き継いだ主か!やはりな!あの本丸に集う刀剣男士達は野蛮な上に躾が全く行き届いていない集団の集まりだ!」
「はっ…?」
「そこの審神者もどうかしている!ド素人だと…巫山戯るな。こんなド素人の女がどうして廃人の本丸を継げるというんだ…?女だから身体で誘ったのか?どうなんだよ…阿婆擦れ、おん!ぐぉっ!」

ガンッ!と脚ドンする私は、これ以上汚い言葉で罵ったら殺すと首を絞める。にっこりと微笑む私は這うような低い声で呟いた。

「私の事をいうのは勝手です…間違っていないですし。でも…私の刀を悪くいうのは止めて下さらない?」
「ぐっ…ごほっ…」
「私の刀剣男士達は強い、それでいて優しい…アンタ見たいな彼等をモノとしてしか扱えないクズには一生無理ね?」
「…っ、は…はなせっ!」

首を絞める私に恐怖するように手を振り払った審神者は私を見つめて強く睨んでいた。ズルズルと地面に座り込む審神者はキッと強く睨んで来た。私は微笑み脚を放すと立ち去るように後ろを向いた、ふらつくように立ち上がった審神者は私にはむかい走って来る。

「ふ、ふざけやがって…クソが!」
「そのくらいになさらないと、今度は僕等がお相手を致しますよ」
「主君を仇なす輩は僕等が排除します、守って御覧にいれます…お下がり下さい」
/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp