第8章 末っ子の秘密
「みゃ~」
私の手配書が出てそこそこの日が経ちました。
特にこれと言って何かが変わることもなく日々を過ごしています。
上陸すれば狙われることも少しありましたが、その度にエースが助けてくれました。
そんな中、今日はお父さんと一緒に過ごしています。
まぁ、今回はサッチの雷がエースに落ちたんですよね。
なんでもこっそり盗み食いをしようとしていたのをサッチさんに見つかったみたいで、今一人でキッチンの掃除をしています。
他の隊長さんたちのところに行ってもいいんですが、なんとなく今日はお父さんのところに居たい気分なのです。
やっぱり、お父さんのそばは安心しますね。
「グララ、たまにはこうやって触れ合うのも悪くねぇな」
そういって大きな手で私を撫でてくれます。
ふにー、やっぱり気持ちいいです。
このまま眠っちゃいそうです。
お父さんの膝の上でウトウトしているとき、部屋の扉がバン!とものすごい音で開かれました。
何事ですか!?
音にびっくりして飛び起きて危うく膝から落ちそうになった私をお父さんは受け止めてくれました。
扉の方を見るとそこにはエースがいました。
「グララ、なんだ、エース。もう掃除はいいのか?」
「ああ、ちゃんとサッチから合格を貰ってきたぜ。それより、アリスはいるか?」
ふむ、お父さんの大きな手で隠れていてここだとエースから見えないようですね。
ひょこっとお父さんの手から頭を出すとエースとパッチリ目があいました。
「お、アリス。一緒に昼寝しようぜ」
「みにゃ!(はい!)」
お父さんの手から飛び降りるとトテトテとエースの腕の中に納まっていきます。
「じゃあな、オヤジ」
「みゃん♪」
甲板に出ると、サッチさん、マルコさん、がいました。
「お、エースじゃねぇかよい。もう掃除は終わったのかよい」
「アリスもいるじゃん。おいで~サッチさんだよ~」
その声を遮るようにバーン!と大砲の音がしました。
敵の船がやってきたと思えば遠くに3隻の海軍船が見えました。