• テキストサイズ

A lot of color【short story】

第2章 2 なぁ、俺は?






「おーい?陽菜?」

『ごめん。待って。』



陽菜をとられた。

くそ。

動物が大好きな俺の彼女。
親友の莉緒に、可愛い動物の写真や動画を見せられると彼氏の俺を差し置いてそっちばっかり夢中になる。

でも、そうやって好きなものを見ている時の陽菜の好奇心に目を輝かせているところも全部、好きになったのだから仕方ない。これが惚れた弱みか。

今までは画像を見て目をハートにしている陽菜が
天使かと思うくらい可愛かったから許してたけど、さすがの俺も怒った。

恥ずかしいからぜってぇ言わねーけど、動物だけじゃなくて俺も構ってほしい。


「なぁ、まだ?」

『まだ。待って。』


どんだけ待ってればいいんだよ。
俺もう限界。

自分の気持ちが抑え切れず、画像を見て目をハートにしている陽菜を後ろから離れないように優しく包む。


『な、あ、う。大翔……?』

「んー?」


照れて顔がりんごみたいに真っ赤になった陽菜。
食べてしまいたいほど可愛くてしょうがない。


「陽菜さんは俺よりもこの画像にいる子たちのが好きなんですか。」

『ち、ちが………っ!』

「ん?何が違うの?」


今まで構ってくれなかった分、少し陽菜にいじわるしてみる。反応があまりにも愛らしくて、気持ちが高ぶる。


『あ、うー。大翔が、い……ば……………だ…………らっ!』

「え?なに?聞こえない」


顔を真っ赤にしてうつむきながら小さな声で何かを言った陽菜。


『だ、だからっ!大翔が1番だからっ!』


あーもー!!何だこのかわいい生物は!!


「んと、ずりぃよな。バカ。」

『ばかじゃないもん!』

「バカだよ。もー俺、陽菜が…………好きで好きで、恋しくてたまんねぇんだよ。」


なんて素直に思ってることを言ったら、陽菜はみるみる頬を紅潮させる。


『わ、わたしも!大翔が大好きだよっ!』

「バカ。俺は…………………愛してる。」


普段ぜってぇ言わないことを言えたから、少しは動物の画像に感謝しとくか。

んでも、陽菜は、俺のだかんな!




 なぁ、俺は?  END

/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp