第2章 私だけを見て 〜斎藤一編〜
「あっ、斎藤さん!」
が俺を見つけて走ってくる
実に、愛くるしいと思った
「あんまり走ると転んでしまう。気をつけろ」
はいつも危なっかしい
「斎藤さん!子供扱いしないでくださいよ!」
頬を膨らませて俺に届かない身長で俺を見上げていた
「俺からしたらは妹みたいなものだ」
最初はそうだと思っていた
「確かに歳は離れていますが…」
自分の妹のように思えてこんなにも愛おしいと思ったり
他の男といる所を見ると嫉妬してしまうのも
自分の妹が離れていく悲しい兄の気持ちと思っていた
でも、それは違った
ただの歪んだ愛だった