an inseparable twosome~ずっと昔から~
第2章 2 想い
志水くんside
最近変な夢を見る。
その夢に出てくる着物を着た女の子があまりにも隣の席の宮部に似ている。
夢の中の俺はその女の子を守れなかったことをずっと後悔している。
どうしてもその女の子のことを知りたくて、町とかを歩いていても知らない間に探していることが最近増えた。
『おはよう!志水くん。』
「おはよう!宮部」
毎朝みるこの笑顔もすごく見覚えがある。
いつだ?わからない。どこで?わからない。
なんでこんなにあの女の子のことが気になるんだろう。ふと気づくと考えてしまっている。
すごく大切で大事な人だったんだろうなと、分からないなりに考えてみたりするが、俺の記憶にはそんな人誰も出てこない。まさか、前世とかだったりして。それはないか。
自分で考えておいてあり得なさすぎる発想に苦笑した。
『?どうしたの?志水くん』
「え?あ、いや、なんでもないよ。」
『そう?ならよかった。』
さっきまで心配そうに俺のことを見ていたのに、大丈夫だと分かってホッとした顔が可愛いとか。……俺何考えてんだ!?落ち着け!昔からずっとその顔が好きだった……ん?昔ってそんな前から宮部のこと知らねぇよ。あーもうわかんね。
グチャグチャとした思考がめんどくさくなって頭を押さえると、さっきまでホッとしていた宮部の顔がまた戻ってしまった。やべ。
『本当に大丈夫…?頭痛いの?』
「大丈夫だよ。ありがとな、心配してくれて。」
『ううん!無理…しないでね?昔からそうなんだから。…………え?』
「昔?」
『え、あ、ごめんね!こ、ことばのあや!』
「ふーん?」
動揺しまくりじゃん。面白いやつだな。宮部は。
なんて思ってたら知らない間に口角が上がっていたらしく、宮部が怒ってきた。その怒り方も全く怖くなくて。可愛いぐらいだ。……いや、だから俺は何考えてんだ!?ここ最近いつもそうだ。おかしい。
にしても、さっきの宮部の『昔から』っていうのが気になるな。でも、いってる本人が一番ビックリしてたし。今聞いたら、動揺しちゃって話しになんなそうだな。またいつか。覚えておかねぇと。