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☆2016企画バトンリレー☆

第6章 画




▼視点

一体全体、どうしてこうなったんだろう。私と徹くんが従兄弟だってこと、月島くん以外知らないはずなのに。でも月島君は言ってない。彼はそんな簡単に秘密を言いふらすような人じゃないから。もう一年近く同じ部活の仲間なんだから、それ位わかる。

「なあなあ!教えてくれたっていいだろー!」

『日向しつこい!』

振り切ろうにもスタミナお化けと称される日向が相手じゃ、無理なことだ。それは勿論、彼の隣を並行している、口をへの字に描いた彼も同じことで。

「影山も驚いたろ!?」

聞く日向に、影山くんは暫し無言になったあと、

「……なんで黙ってたんだよ」

とぶっきらぼうに呟いた。そこ聞きますか。

『…言ったら微妙な雰囲気になるもん』

「!そんなことな」

「あっれー?ちゃんに、鳥野のチビちゃん、オマケに飛雄までいるじゃーん!」

日向がなにか言おうとするも、それはおちゃらけた声によって阻まれる。見なくてもわかる。多分…いや、間違いなく渦中の人物である。あのね徹くん、オマケのとこ強調して言わなくてもいいからね。

『ゲッ…徹くん』

「ゲッてなにさ、ゲッて!」

「そのままの意味じゃねえの?」

「岩ちゃんそうだけど!そうじゃなくて!」

叫ぶ徹くんにため息が漏れる。タイミング。タイミング大事。

「及川の従兄弟?可愛いじゃん」

「へー、及川の従兄弟ねぇ」

このふたりは…おそらく前に徹くんが言ってた花巻さんと松川さん。挨拶しようとすれば、遠くから足音が聞こえてきた。何だろう?

「大王様だ!!」

「…久しぶりッス及川さん」

渋々挨拶する二人。その後ろに大柄な影が映った。

『…!!』

白鳥沢という字が刻まれたジャージを見にまとうその人は。

「なぜ、お前がここにいる?」

牛島若利と、そしてその後ろに県最強の白鳥沢の面々。わっ、パッツン前髪だ!

「…なにこのタイミング」

「知るか」

徹くんと岩泉さんがやりにくそうな顔をして(主に徹くん)その後ろにいる花巻さん、松川さん、そして後輩と見られる面々も複雑な面持ちをしている。そっか、青城と白鳥沢はインハイでも戦っているんだっけ。と、その時。更なる混沌を呼ぶかのように日向が声を上げた。その手には、ケータイ。

「梟谷グループのひとたち、温泉合宿で宮城(こっち)来てるって!」
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