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人魚姫ストラテジー【HxH】【裏】

第3章 新しい家族と少女


「で、団長、そいつなんなの?」
案の定ホームについて最初に口を開いたのはシャルナークだった。
首をかしげるとさらっと金の前髪が揺れる。
「ちょっと気になってな。」
「へえー、団長がロリ趣味だったとはびっ…」
そこまで言って、ほぼ全員が自分に冷たい視線を向けているのに気づいたシャルナークは慌ててを口を閉じ、
「なんで気になったりしたの?」
と質問をもごもご変えた。
「おかしいと思わないか?念能力者が3人護衛についておきながら、念が張られた鎖がかけてあった扉。
でもこいつはどっからどう見ても一般人だ。なんでそこまでする必要があったのか?」
「そいつは確かに奇妙だなー。」
顎に人差し指と親指を添えて、シャルナークが考えた。
「そんだけで連れてきたの?」
「それだけだ。」
奇妙だと思った。しかし、それ以上は問えない。いや質問しても無駄だ、と思った。
蜘蛛の手足と頭がそろい、やがて豪邸から運び出した大量の獲物が続々と床に落とされていった。
「古書以外は興味がない、適当に配分してくれ。」
クロロはそう言うと、書物を数十冊片手で担いで元いた自分のソファーへと腰を下ろした。
ルルはその様子を黙って見ている。
運ばれてきてからずっと気になっていた他人が自分を見る視線。
彼らの話している内容はよくわからなかったが、なんとなく、ここに自分の居場所を見つけた気がした。
「ねえねえ、名前は?」
相変わらず喋りながら作業するシャルナークは、ふとルルが気になって後ろを振り向きながら名前を聞いた。
「……。」
「黙って、どうしたんだ?」
「そいつは話せないぞ。」
古書を並び替え、袋と鞄につめながらクロロが言う。
「えっ!?先に言ってよそういうことは。」
少女はまた自分の腕についているごつめのブレスレットを見せて、名前を示す。
「ルルちゃんね、覚えた!」
ルルはぱあっと明るい笑顔を見せ、感謝を示すように少しだけ縦に首を振った。
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