私がドSなコイツを好きになる確率なんてゼロに等しい!
第2章 1%
中学時代の頃。
私は入学式の時、運悪く熱が上がり、一週間も学校を休んでいた。
一週間後、私がクラスに入った時にはもう既にグループができていて、私が入る隙間なんてどこにもなかった。
この学校は私立で、私は元々公立だったから知り合いなんて1人もいない。
そんなとき、体育の時間で2人ペアになって体操をするときがあった。
私のクラスは37人だったので、どうしても1人余ってしまう。
1人になるのは嫌だったので、私はなるべく優しそうな人とペアになろうと思った。
私は選択を間違っていた。あのとき違う人に声をかけていれば…………。
「ねぇ、よかったら私とペアになってくれないかな?」
「………………………はあ?私が?あんたと?悪いけど私そんな寂しい人じゃないから」
…………………え?いま、なんて?
そこからだった。私へのイジメは。
四つん這いになり、お腹を蹴られ、肉体、身体的なダメージを受けた。
「お前よくそんな惨めな姿で歩けんな」
「江戸時代に行ったらモテるんじゃない?」「やめなよ、江戸時代って福笑いみたいな顔じゃん〜」
「お前ホントブスだわ」
つけられたあだ名は【江戸美女】
先生がいる時も、気軽に呼べるからつけたらしい。
確かに聞いていて、悪い気はしない。
でもそんな毎日から逃れたくて、私が選んだ道は不登校。
勉強とかは家庭教師とかで何とかして、私は必死に勉強した。
違う高校を選ぶために。
そのためには色々な努力が必要だった。
まずはルックス。そんなに太っていたわけじゃないけど、とりあえず腹筋とストレッチは毎日欠かさずやった。
そして流行り物も勉強した。ファッション、メイク、流行語。
当時の私は悔しかったのだ。私だってやれば出来るんだ。
みんなと同じように。
高校には見事合格し、家から2時間もかかる学校に通うことになった。
お母さんは心配してたけど、私はもう負けない。
私は………………変わるんだ。
【江戸美女】じゃなくて本来の【雪村 菜桜】に。