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触手魔物淫魔ふたなりと遊びながら異世界を救う物語

第1章 この世界の事情


「それは本当ですか?本当に皇はそうおっしゃっていらっしゃると・・・?」

口元を雅なくじゃく羽の扇子で扇ぎ、目元に朱を入れたつり目の男は皇からの神託を告げる。

その言葉に困惑した様子で膝を折っている男は体こそ人間のように2本足で立ち歩きはするが、顔はどう見ても百獣の王ライオンである


ここは世界樹そびえる獣人の暮らす世界

たくさんの種類の獣人が暮らしている。


世界樹には唯一無二の存在である皇が存在し、この世界の創造者でもある


この20年の大干ばつにより皇は無理を強いられ、いまや枯れかけてミイラのような風貌で横たわっている


皇が直接言葉を発することはなく、文献によるといつの時代もその言葉を受けとる存在の神子が皇の言葉を代弁している

詳しくは文献にも書かれていないが言葉を聞き取れない我らにとって、目の前のつり目の男はいけすかなくても、かしずかなければならない存在なのだ。


「だから皇が私にすべて一存すると申しておるのじゃ。おいたわしいことじゃが致し方なかろうぞ。皇がこのように床に伏せ、政治もままならぬなら妾が受け継ごうぞ」

このままではこの国は終わる。
膝をつき眉を寄せるライオンの風貌の男レオンと、後ろに控えひそかにため息をつくキリンの風貌の男ジールは同じことを思った。

5年前から皇の声が聞こえる神子だと名乗り、この世界樹の皇が眠る部屋の隣に勝手に部屋を構え住み着き、あまつさえ貴重な水を我が物顔で独占する。こんな男噛み殺してしまいたいが本当に声が聞こえるなら大変だと書官や老官に諭され今にいたる


「武官レオン、書官ジール。妾は世界樹の皇の代理人として第一歩に湖の国へ外交へ行ってくる」


これは完全にバカンスだと察した
干ばつにより農作物も生活用水もギリギリなこの国を見限ったが、自分の資金ではなく国税でバカンスに行きたいようだ



噛み殺してやろう


そんな殺気をいち早く察知したジールがレオンの隣へ膝をつく


「神子ミスティリーフ様、ただいまこの国は干ばつにより疲弊し税収も人選もままなりませぬ。こちらよりお供に出せるものがおりませぬゆえ、しばしお待ちいただけませぬか」

「ああ、よいよい。もうすでに妾の腹心と共に準備は進めておる。皇よりいただいたこの白銀にて行ってくる」
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