• テキストサイズ

大切【NARUTO】

第35章 知ってる





やっと目的地へ辿り着いた思ったら、今度はサスケが吹っ飛ばされてきた。


『嘘!?…サスケ!…手がっ!!』


折れている左手に驚いたが、直ぐに常備している救急セットを広げ、応急処置をした。

なにがなんだか分からない。
でも、サスケの手を治療し終わるまで、彼の手から目を離すことは決してしない。


(サスケを傷つけたのは誰なの?絶対許さないんだから!!!!)


しかし治療中でさえ、サスケは同じ方向を睨んでいた。

今までにないほどの、怒りと憎しみが満ちた目で。


「畜生がぁ!!!」


『な、ナルトくん!?』


「ナルトォ!…手ェ出すなつってんだろうが!!
これは俺の戦いだ!」


『さ、サスケ!?』


治療をしている間に、なぜか2人が叫びあう。

サスケの声は、いつもの様な優しさを含む声じゃない。
ただ、憎しみ一色で叫んでいる。

どうして彼がこんな様子になったのか分からない。

状況が読めない。


『2人とも!落ち着いてよ!
そんなギャーギャー叫びあっても、私、訳わかんないじゃない!』


「リクちゃん!早くサスケを連れて逃げろってばよ!
ここは俺とエロ仙人が何とかすっから!」


「ふざけんじゃねぇ!お前が邪魔なんだよ!
こいつは俺が殺るんだ!離せリク!」


『嫌よ!だってサスケ、無理するじゃない!
それに、サスケの手は!誰かを殺める手じゃない!大切なものを守るための手よ!』


応急処置をし終え、私は顔を上げた。
サスケの目をしっかりとみて、想いを訴える。

サスケがほんの少しだけ落ち着きを取り戻してくれたのをみて、情報を整理しようと立ち上がった。


(たしか、サスケは名前を聞いて…。)


サスケが睨んでいる方向をゆっくりと見ると、ある男が立っていた。

1人は、サメっぽい人。

もう1人は、赤い雲の描いた黒いローブ、傷の入った木の葉の額当て。

そして、紅の眼。


夢で見たあの月夜の映像と、全く同じ、紅の眼。














ズキンと頭が痛む。








『…嘘でしょう?』










知ってる。この人の事、知ってる…。









大好きな…。











『い、イタチ…兄さ…ん?』


名前を呼ぶと、彼は大きく目を見開いた。







/ 572ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp