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大切【NARUTO】

第35章 知ってる





温泉街は里からも近く、すぐに着いた。

サスケだってきっと、同じ場所に来てるはず。
まずは、彼と合流しなければ。


『サスケ!どこなの!?サスケ!?』


叫んでみるが、返事などあるわけなくて。

チャクラを感知しようにも、サスケがチャクラを練らなければそれは出来ない。

人が多すぎて、気配を探るのも少々時間がかかる。

仕方ない、やるしかないか。
白髪の大男と、金髪少年がとまっている宿を探す。
それも、一軒一軒。

多分サスケもそうしてるだろうし。


『面倒だけど、やるしか…えっ!?』


すべてまわろう。
そう決意した瞬間、ある宿屋で爆発が起きた。
そこからは電流がバチバチと流れている。

その音は、まるで鳥が鳴いているような音。

思い当たる忍術は一つだ。


『あれは千鳥…!?』


あの術は、本来カカシオリジナルの技。
それを伝授されたのはサスケだけのはず。

ということはつまり、そこにサスケがいるという事で。

また、すでに戦闘が始まったという合図でもある。

いつも以上の電流で、あたりが青白く照らされている。
サスケが誰かを殺めようとしているんだと分かり、体が震えた。

彼の手は、命を奪うためのものじゃない。
優しく、暖かい、大切なものを守る手なのだ。

しかしそれを汚してすら、復讐したい相手が、命を刈り取りたい相手がいる。

それが、うちはイタチ…なのかな。


『ダメよ、絶対!!イタチは何も悪くない!!
…悪くない?何の話?』


またしても、ズキンと頭が痛み、思わず膝をつく。


(また…やっぱりイタチが記憶の鍵…?
いいえ、全て忘れて。今はサスケよ。
立て、立ちなさいリク。
頭なんて痛くないわ!
走れ!全てが手遅れになってしまう前に、サスケを守る為に!)


視界が歪む中、無理矢理に体を起こし、深呼吸をした。

そして、何事かと人々が騒めく中、必死でそこに駆けていく。


(サスケ…!どうか無事で…!)


なんだか胸騒ぎがする…。





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