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大切【NARUTO】

第31章 中忍試験・力





『…なんなのこれ!!』


サスケの病室へ向う途中、護衛だったであろう暗部の人間が倒れていた。

まさかサスケの身に何か起こったのだろうか?

ガラガラと点滴を引きずって部屋の中を覗いた。

其処には死んでいる暗部と、眠るサスケ、そして割れた窓を眺めているカカシだ。


『先生…!何があったの!?』


「リクか…。音隠れのスパイがサスケの命を狙ったんだ。」


隠しても無駄だと思ったのだろう、ここであった事を全て話してくれた。

カカシの言葉でサァっと血の気が引く。
サスケの命を狙った…大蛇丸の部下か。


『…まさか、それって!』


一人、思い当たるヤツがいる。
そうであって欲しくはないのだが。

それは死の森で襲われた音の三人衆ではなく…。


「カブトだよ。」


カカシの言葉に息を呑む。
私の感じた嫌な感じは当たっていたのだ。
彼が嘘で固めた人間に見えたのは、スパイだったからだ。

今すぐにでもカブトを探し出して、一発殴りたい気持ちは山々だが、もうどこかへ行ってしまったとの事。

そうするのを諦めて、サスケの元へと寄った。


「ガラにもなく相当疲れたらしい。寝てるだけだ。
呪印は封印しておいたから、サスケの意志が揺らがない限りは暴走しないよ。」


『…ありがとうございます。』


ぺこりと頭を下げて、近くにあった椅子へ座った。


「試合、どーだったの。」


『勝ちました。…でも、カブトは本気じゃなかったようですね。』


幻術にかけたから暫くは動けないはずだったのに、サスケを襲撃しに来たのだ。
わざと負けたと捉えざるを得ない。


『試合の間に、息の根を止めておくべきでしたかね。』


「いーや、リクがそんな事をしなくても、暗部がなんとかしてくれるさ。」


『そういう暗部が、この状態なんですけどね。』


サスケを危険に晒したのだ。
暗部は何をしてたのか。


「サスケの事になると心配性なのは別にいいけどネ、そんなピリピリするな。
それに今のお前がカブト達を見つけたところで、今の体じゃ返り討ちにあうだけだ。」


確かな事を言われ、いい返す言葉がない。
カカシに頭を撫でられて、私は服をぎゅっと握った。







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