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大切【NARUTO】

第30章 中忍試験・絆





リーを殺そうとするドスを必死で止めようと、サクラは手裏剣を投げる。


(私だって、私だって…!)


しかしそれは、すべて弾き返されてしまった。
更に、リクは先程大蛇丸から逃げる際についた傷口を踏みつけられており、絶叫していた。


「リク!!……痛い!」


痛みで叫ぶリクの姿にどうすればいいかわからず、只々眺める事しかできないでいると、キンに髪を掴まれた。


「私よりいい艶してんじゃない…。忍のくせに、色気付きやがって…。
髪に気を使う暇があったら修行しろ、この雌ブタが!」


そういったキンは、目の前でサスケを殺そうと提案する。


『サスケを殺す…?ふざけるな!』


リクが怒りのままに叫ぶ。
しかしそのリクの口は、ザクの手で塞がれた。


「…お前、黙ってろ。そういえば…俺の服の趣味が悪いって言ってたな。じゃあ、似た者同士にしてやるよ。」


ザクはリクの服を、クナイでビリビリと破く。

それはもう、服とは言えないほどズタズタに。
リクの身体にすら、傷をつける。

でもそれは、どれも致命傷にはならない、所謂拷問だ。


「ハハ!いいねザク!もっとやりなよ!」


リクは恥辱に、そして傷つけられた痛みに耐えながら、涙は流すまいとザクを睨んでいた。

…彼女を助けようと動こうにも、髪を掴まれていては動けない。
何もできない自分に、悔しくて涙が出た。


(私、また足手まといにしかなってないじゃない。
いつだって守られてるだけ…悔しい。)


ナルトに、サスケに、リクに、そしてリーにも。


(今度こそはって思ってた。大切な人達を私が守らなきゃって…!)



サクラは覚悟を決めた。
ホルスターからクナイを取り出し、構える。

このクナイは、私の覚悟…決意の証。

私を守ってくれた班員とリーの姿を脳内で描く。


「無駄よ!私にそんなものは聞かない!」


「何言ってるの?」


サスケに少しでも好かれようと思って、長くしていたそれ。







サクラは長く伸びていた髪を、自らの手で切り捨てた。





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