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大切【NARUTO】

第29章 中忍試験・死の森





リクとの会話に、デジャブを感じる。


" あの日 "








『サスケ…。に、逃げて…。』


「いやだ、いやだよ!ソラも一緒に…!」


『…はやく!!』







幼馴染との最後の会話。
俺の全てを奪った、あの日の…。


(…ここで逃げたら、二度とリクに会えない!)


どんどん蘇る。

ソラが剣で身体を貫かれ、倒れこむ様。
家族の血が、床に広がるあの恐ろしい光景。

暗闇に光る、紅色の眼。


リクがソラと似ているからか、余計に強く記憶が蘇る。

息が苦しい。


「サスケくん!落ち着いて…!!」


サクラに肩を揺すられ、自分が過呼吸になっていた事に気づく。

幼なじみを失ったという俺の心の傷は想像以上に深かったんだと、このタイミングで確認させらるとは思いもしなかった。

とにかく今は、忘れよう。

呼吸をゆっくりと整え、心を落ち着けたところで、隣でサクラが叫ぶ。

そして、サクラの見る方向に顔を向けると、あいつに首を絞められるリクの姿。


「…ッ!!リク!!」


叫ぶと同時に、リクが此方へ思い切り投げられた。
それを間一髪で抱き留める。

抱き留めた彼女の髪は、元の黒へと戻っていた。


『…サスケ、逃げてって言った…!』


「今離れたら、二度と会えない。」


逃げなかった事を咎めるように言われたが、返事をするとリクは黙って目を見開いた。


「…お前が居なくなるのが、一番怖い。もう俺を、孤独に突き落とさないでくれ。」


今離れたら、リクは死んで会えなくなる。
また独りになる。
絶対そうなると思った。

それこそ、あの日のように。


『……ごめん、サスケ。』


涙を堪える彼女を、サクラに託す。
そして、リクを追い詰めた奴をキッと睨みつけた。


「…確か、何者かと聞いたわね。
私の名は大蛇丸。もしも君が私に再び会いたいと思うなら、この試験を死に物狂いで駆け上がっておいで!
私の部下である音忍三人衆を破ってね…。」


そう言った大蛇丸とやらは、ナルトから奪った天の巻物を燃やした。





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