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【R18】君は華より美しい(仮題)

第9章 届いた手紙と蝶々結び


「っはぁ…はぁ…」

 自分の団服をきゅっと握りしめてくるジョエルに、ファンドレイは胸が締め付けられるような感覚になった。
 口の中、奥の方まで侵したい。

「もっと…口を開けてください…」
「んっ…」

 おずおずと開かれた口。
 ファンドレイはさらに舌を奥へと進めた。
 狭い口内、隅々まで味わいたい。

(もっと…)

 息を弾ませ、ジョエルの舌に自分の舌を絡ませながら、溢れる唾液を掬い取る。
 それでも零れそうになって、ごく、とジョエルの喉が鳴った。

(俺の唾液が…)

 彼女の体内へ流れ込んだことに、ファンドレイは酷く興奮する。
 このまま、ジョエルをここで組み敷けたらいいのに。

「っは…っ…」

 最後にちゅっ、と彼女の唇を吸い上げて、唇を離す。
 ジョエルのとろんとした名残惜しそうな顔にぞくりとする。

(こんなときは――)

 昨日読んだあの本の内容を思い出して、ジョエルの耳元に唇を寄せる。

「ジョエル様…。これ以上は…我慢、できなくなりますから…」

 吐息交じりに囁けば、ジョエルが面白いほど体をビクつかせた。

「あ…ファンドレイ様っ…」

 耳を手で塞いで、ジョエルが潤んだ瞳で自分を見た。
 その姿さえ、ファンドレイの劣情を刺激してくる。
 ふー…、と長く息を吐いてから、ファンドレイはジョエルをぎゅっと抱きしめた。
 彼女の魅力にくらくらする。
 このまま、自分だけのものになってしまえばいいのに。
 そんな馬鹿なことを考えてしまう自分がいる。
 彼女の遊びにちょっと付き合っているだけなのに。
 腕の中、ファンドレイの胸板に頬を寄せてくるジョエルに心をかき乱される。
 その顔をもっと蕩けさせたい。
 自分しか見ないように縛り付けてしまいたい。
 これが只の肉欲なのかなんなのか、もう分らない。

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