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イケメン王宮

第4章 ウィスタリア


「レオがまたかってに連れ出してた。
これから部屋に送るところだ」

「へぇ~そうなんだ~。またねサクラ」

「えっ!?サクラ?」

ひらひらと手を振り中庭に向かって行く

(サクラって誰...)

後姿を見送りながら考え込んでいると
アランが声をかけてくる

「お前ほんとにサクラか?
レオと城下にいたはずなのにノアはジルといたって言ってたぞ?」

じっと見つめられ返答に詰まり思わず俯いてしまった
何も言わない萩の頭を撫でると

「悪かったそんな顔するな。ノアの見間違いかもしれないしな」

アランの言葉にほっとして顔を上げると
にこっと微笑みを浮かべる

「行くか」

王宮に入ってアランの後ろについて廊下を歩いていると

「あれアラン様も、もしかしてさぼりですか?」

「あいつと一緒にするな!?」

「あはは、すいません。それでどうし....えっ?」

アランの後ろで風に吹かれてキャラメル色の髪がふわっとなびく
髪の間からチラッと見えた瞳は深い緑色

(まさか.....萩?)



『あれアラン様も、もしかしてさぼりですか?』

(この声...ユーリ?
でもウィスタリアにいる訳無いよね)

乱れた髪を手櫛で直しアランの後ろから顔を覗かせる
驚きに目を見開いたユーリがそこにいた

「ユーリ!?」

走っていき思いっきりユーリに抱き着く

「サクラ何してる!?」

急に走りユーリに抱きついたことに驚くアラン

「何でここにウィスタリアにいるの?」

「兄様にお願いしてお披露目パーティーを見に来たの
城下を見て回ってたらレオって人にここまで連れてこられたの」

「レオ様に?
あの人でも見間違えるほど似てるってことか」

「いい加減離れろ!?どういうことだユーリ!!」

抱き合ったまま会話する二人を引き離す

「アラン様この子はサクラ様じゃないですよ」

「はぁぁ!?じゃあ誰だ」

大きな声で怒鳴っていると近くの部屋の扉が開く

「うっせえぞアラン!!何騒いでやがる!?」

ビクッと怯えて思わずユーリの腕にしがみ付く

「......何してるサクラ。何でユーリにしがみついてんだ?」

「....私はサクラじゃありません」

「ああ!何言ってんだじゃあ誰だって言うんだ」

ジロッと睨まれしがみついた腕に力がこもる
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