第1章 紫の奇跡
北風が冷たい日。
学校が終わり金曜の夜は塾。
高校2年生の冬は、こんな感じで
終わっていくのかなーなんて思ってた。
でも、私は塾を休まない。
なぜかというと…
松本「ちゃん!やっほ。」
そう。学校の違うあなたに唯一会える場所だから。
「あ、松本くん!今日めっちゃくちゃ寒いよね!」
室内に入り、塾のあるフロアまでエレベーターに乗る。
2人きりでちょっぴり緊張。
松本「あ、うん。でもちゃん薄着だね!
女の子なんだからもっとあったかくしないと。」
そう言って、視線を階表示の所に移す松本くん。
"女の子なんだから"
すごい嬉しい一言。