第1章 最悪な出会い
『っ!?』
耳元で聞こえたその言葉、私の正体を当ててきた男に驚き私はそいつから離れようと後ろに下がったのだが、
『え、何これっ……なんで?』
一定距離より先には進めず足止めを喰らう。
これは、一体なんだ?
『あんた、一体……』
「……ただの、神に仕える……神父だよ」
十字架を目の前に掲げて微笑む男。
やってしまった……匂いに気を取られて選択を誤ってしまったとは。
こうなったら、何としても逃げないと!
上にならば逃げられそうだった為、私は捕まる前にと羽を動かし飛ぶ。
所詮神父は人間、飛んだら追いかけてはこれない。
内心勝ったと思った。 だが、そう甘くは無かったのだ。
『なっ!! わっ……ぅぐっ』
何が起こったのか、気づいた時には地面に叩きつけられ頭を強く打ち付けてしまった。
『ぅ……さい、あ…………くっ』
ガンガンと頭に響いてきて、まともに喋れなくなってきて……意識が、途切れた。