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巡り逢わせ【ONE PIECE】

第7章 タイムリミットとビビの声


宮殿から飛び降りたユナは重力によって真下へと落下していた。流石にこのまま落下すると命が危ないので風を自身に纏わせ落下速度を落とす。


そして初めて目の当たりにしたアラバスタの現状に言葉を無くした、肌に刺さる程の怒号、銃声、金属同士がぶつかる音が渦巻く中で人が人を容赦無く傷付けている。


『ヒドい……』


国王軍と反乱軍がぶつかり合うこの何処かにビビがいるハズだが塵旋風が捲き上る反乱の中、とてもじゃないが見つけられる気がしない。他の仲間も無事なのかすら今のユナには分からない。

『せめてルフィにみんなの事聞いとけばよかった…』

握り締めていた帽子を首から下げると地面には着地せず上空で浮いたままユナはビビ達を探す為方向転換した、その時──。


ドォンとひと際大きな鉄砲の音と共に身体に一つの振動が走った気がした…だが音は直ぐに争いの中に消えていった為ユナは気にする事なく先を急ぐ。


その足元に血痕を作っているとは知らずに。



──暫く上空を飛び回っていると緑髪の男と長鼻の男が目に付いた、やっと見知った顔に出会えてユナは安堵の息を吐く。


「クハハハハ…クッハハハ小物がァァ‼︎」
「てめェ何やってんだ‼︎」

バコッと勢いよくウソップの頭をゾロが叩く、なんでもウソップはクロコダイルの気持ちになって何かを考えてたらしい。


「いいから探せ‼︎あと5分切ってんだぞ‼︎」


側から見ても分かる程の2人の慌てように何かあったのかとユナは急いで2人に近付いた。


『ゾロ、ウソップ!無事…では無いみたいね……』


無事を確認しようと2人を見ればゾロは全身血だらけ、方やウソップは全身包帯グルグル巻きの姿にユナは絶句した。

「おぉ!ユナ‼︎おめェ無事だったんだな⁉︎良かったァ…」
『えぇ、なんとか…それより2人とも大丈夫なの?』

傷だらけの2人を心配すればウソップが「そうだ聞いてくれよおれ様の勇姿を」と口を開くが即座にゾロに制される。

「今はそんな暇ねェだろ、それにこれくらいの傷問題ねェ」

どう見ても問題ねェと言える範囲を優に超えてる気がするが、珍しく切羽詰まったゾロの様子にそれ以上は追求しなかった。






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