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【ハイキュー】 secret crush

第13章 ズルイ自分を変えたい。


「森然で見たときは驚いたし、ちょっと…嬉しかった。田中に感謝だな」


最後に烏養さんはそう呟いた。


照れを隠すようにそっぽを向いて。



「烏養さん」



呼び掛ければ彼の視線はこちらへ戻る。


「ありがとうございます。あと…ごめんなさい。その…。ちゃんとしてなくて…。でも、私…」


そこまで言うと、
頭の上にポンっと手のひらが乗った。


「ゆっくりでいいって言っただろうが。気にしてんじゃねぇよ。弱味に漬け込んだのは俺だ」


大きな手のひらが、優しく左右に動く。


「無理強いもしねぇし、手も出さねぇよ。これでも大人だからな…って、お前…泣くなよ」



「烏養さんが…甘やかすからです」


「甘えろよ。それくらいの包容力はあるぞ。たぶん」


たぶんって…。

この人は本当に…優しい。


「君夏」


名前を呼ばれて、

その響きがなんだかすごく優しくて、

気がつけば自分から、

烏養さんの胸に飛び込んでいた。


「ちゃんとしたいです。私」

「あぁ」

「時間…かかり過ぎてますけど…」

「だから、ゆっくりでいいって言ってんだろ」


「はい…」


「君夏。ありがとな」


なんで私がお礼を言われるのかはわからなかったけど、

お礼を言うのはどちらかと言えば私の方だけど、

烏養さんの『ありがとう』にコクンと頷いて、彼のシャツをギュッと握った。
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