第12章 傷口を抉る。そして…

「泣くなよ…」

「…すみ…ません…」


謝ってはみたものの、涙が止まる気がしない。


「俺が泣かしたみてぇじゃねーか」


その言葉には首を横に振って答えて、



「ちょっと時間あるか？」


その質問には首を縦に振って答えて、



「じゃぁ、ちょっと来い…」


そう言って腕を掴んで歩き出す烏養さんに倣って、私も足を進めた。


行き先なんて知らない。