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【忍たま乱太郎】空蝉物語【番外編】

第1章 番外編 第一話「気になるあの娘の異性はどちら?」




春を思わせる暖かい陽射しの中。
麻言は昼の空き時間に、浜辺に沿って散歩していた。
麻言は海が好きだ。
自身は記憶喪失の為、覚えてはいないがもしかしたら記憶があった時も海が好きだったのかもしれないと思うほどだった。
そして、そんな彼女を後ろから追い続ける怪しい集団が。
浜辺に所々点在する岩陰に隠れながら、麻言を覗き見ている。
若い順に白南風丸、網問、航、重、間切。
元気ハツラツな十代五人組だ。

「――よし、行け白南風丸っ!」

先程から、このように追いかけっこしていたがいい加減焦れったくなった間切がそう叫んだ。
自身に白羽の矢が立った事で、驚愕の顔をしながら白南風丸が「えっ!?何で私なんですかっ」と訊ねると。

「勿論っ、この中で一番下っ端だからだっ」

冗談半分、本気半分でふふんと笑いながら腕を組んで間切が言う。
それに賛同するように航も「そうだそうだ~」と言い、網問も重も笑顔で頷いている。
一見虐めの様なこの光景だが、これは彼らの日常茶飯事。
白南風丸はやや天然なところがあるため、この様によく兄貴分にいびられ……否、可愛がられているのだ。

「もう~、兄貴達はいつもいつも不公平っすよ。私ばっかり」

しかし、今回は白南風丸には珍しく反抗を見せる。
大概はほぼ二つ返事で了承してしまうのだが、今回ばかりは羞恥に耐えられないのだ。
そもそも、五人が麻言を追っている理由というのが。

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