• テキストサイズ

1432

第9章 太宰 治 「4年ぶり」


「やぁ、織田作。元気かい?」

そう云いながら語りかけている男の前には墓がひとつ

「子供達も元気なんだろうね。そうだ。今、私が働いている所に新しい子が入社したのだよ。中島敦君と云ってね、もうその子が…」

男は何かの気配を感じ云いかけていた詞を止めた


「おや…織田作視てごらん。珍しい人が来たよ。」

と云いながら気配を感じた方を視る



そこには風になびく茶髪の長髪に
黒色の長外套を着た女がひとり立っていた


「治…久しぶり。」

と女は云うと男も

「久しぶりだね。唯。」

と云った。


女はこちら側に歩いてくると、墓の前にしゃがみ

「サクノスケ…久しぶりだね。」

とぽつぽつと語り始めた

「私の今の仕事?今は無職でねェ。ポートマフィアを辞めたのだよ。…今日はここ迄だ。背後の男の相手をしなくちゃいけなくてね。また来るよ、サクノスケ。」


と女は云うと墓に背を向け男の方を視る

/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp