第7章 江戸川 乱歩 「両片想い」

『っ…ぷはぁ。』

「御免。苦しかった？」

『うん。長すぎ。』


乱歩さんにはそう云うけど本当は嬉しかった

乱歩さんにキスしてもらえて



私はなんて呑気な事を考えてるんだ…


「如何したの？」

『ん？何も？』

「そう？顔がニヤついてるけど。」

『そう？気の所為だよ。』

嘘だ…ニヤついてるなんて最悪だ…

「ふぅ〜ん。じゃ、こっちおいで。」

『何？』

と私が訊くのと同時に

ｷﾞｭｯ

私は乱歩さんの胸の中にまた居た

「有り難うね。僕なんかと付き合うって云ってくれて。」

『別に。そろそろ、乱歩さんの気持ちに向き合ってあげないと失礼だなって思っただけ。』

「それでも有り難う。」

『いえいえ。』

と返事をすると



乱歩さんはまた私の唇に軽いキスをした