第65章 【番外編】好きなところ
「ちょっと貴女、いつ大佐様とお別れしてくれるの!?」
ああ、いつかこんな日が来るのではないかと、お付き合いを始めた日からとてもハラハラしていた。
全国に何万人といるのだろうかジェイドさんのファン…。
今まで幸せながらもどこか不安ではいたのだ。
「い、今のところは……すみません……」
頭を下げてひとまず穏便に済ませられないか謝罪をする。
「なんであんたみたいなそんなつるぺたなのよ!!」
「つっ!!!!」
自覚はあるが、他人に言われるとここまで突き刺さる言葉なのか…。
私はよろよろと地に膝をついた。
ジェイドさんには謙遜しすぎだとよく言われるが、私は本当に自分に自信が持てない。
何度も愛を確かめあっているはずなのに、ジェイドさんにもいつも言われているけれど、相変わらず心の片隅で不釣り合いなのは感じている。
年の差、家柄、才能…私は何一つ他の女性に敵うわけはない。
「なんであんたなのよ…!!」
女性に捨て台詞を言われ、私は膝をついたまま呆然としていた。
「私が一番聞きたい……」
一人でそう呟いたのに、でも離れられない…と思ってしまった。