第2章 旅立ち
このままでは世界は滅ぶ
お前がその元凶となるだろう
未来を変えたくば
おのが住む世界を捨てよ
新たなる地へ進めたならば
未来は姿を変えるだろう
絶望に満ちた世界…突如として現れた神々により支配される世界は破綻していた。神々は人々から富や名声だけでなく、幸せまでも奪いとっていった。この世には争いが絶ないのだ…
ある夜夢をみた。幼い頃よりみる世界の終わりを告げる夢を。
「おのが住む世界を捨てよ、か」
昨晩みた夢を思い返す…
突如として闇に飲み込まれる世界…確かに闇の中心に確かにいた。夢にも関わらず、あまりにも現実味を帯びていて、思わず身がすくむ思いがした。
確かにこの世界は破綻しているかもしれない。しかし、夢だからと言っても、世界を終わらせることが正しいとは思うことができなかった。
「私のせいで世界がねぇ…」
まさかと思いできればつつもため息をついた。
「もし現実となるなら、今の生活を捨てたら何か変わるのかな…」
使用人はその数ざっと数百人、歩いても歩いても先の見えない広大な庭…一流階級のお嬢様、世間が羨むお家柄である。
この世界では格差の差は天と地ほども違う。数少ない富を貴族の中にはは民から巻き上げ至福を肥やす者もいる。だから、貴族をな憎む者が多いのも事実なのだが…
「…まさかね」
一人呟くと、生まれてからの数年間、軟禁生活を強いられいたことで習慣となっている書庫へと足を進める。
世界は争いが耐えぬほどに危険だからといって、ここに閉じ込められているとはなぜか思うことができなかった。
自分がなぜこのような夢をみるのか知りたくて、幼い頃から書庫へ行くことが多かったはそのせいかもしれない。