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【テニスの王子様】千石清純【裏夢】R18

第3章 お好み焼き



お好み焼き屋さんに着くと、平日だからかそこそこ空いていた。

「おっ清純、今日は女連れか」

学生さんかな?黒いTシャツに黒いサロンを着けたお兄さんが私達に笑いかけた。

「クラスメイトをデートに誘っちゃいました」

「可愛いなぁ。こいつ女好きだから、騙されちゃだめだよ?」

お兄さんに覗き込まれ、顔が熱くなる。

「ハイ、気を付けます」

答えると千石くんが「ひどいっすよ〜」と眉尻を下げた。

「いい奴なのは認めるけどな。お前みたいのは、そのうち本命が出来た時に困るぞ」

「分かってますって」

本命、という言葉がなんだか響く。

ただのクラスメイト。そこを勘違いしちゃいけない。

「おっと、立たせたまま悪かったな、そこの座敷良いぞ」

「は〜い」

千石くんは依然眉尻を下げたまま返事をして座敷に向かう。

「ちゃん、ほら、おいで」

「うん」

おいで、の言い方が優しくて、…やっぱり勘違い起こしそう。

でも、頑張って運営委員になって良かった。

「ちゃんは、お好み焼きって好き?」

「うん、あんまり食べたことないけど、好き」

「もんじゃは?」

「食べたことないなぁ、あの、ゆるいお好み焼きみたいなやつだよね?」

「そうそう、そんな感じ。食べるのに抵抗ある?」

「ううん、ないよ」

「じゃあ、嫌いなものは?」

「ないよ、あ、もちとか美味しそう」

「チーズは?」

「好き!」

「あはは、じゃあもちチーズと、豚玉と…うーん、海鮮!」

「あいよ」

お兄さんが元気良く返事をして、投げるように千石くんにおしぼりを渡した。

一つを私に差し出し、受け取って手を拭くと千石くんが私を見ていた。視線が合う。

「よく来るの?」

「うん、部活の帰りとかに」

「そうなんだ」

女の子はよく連れて来るの?

なんて、聞いてみたいけど、聞けないし、上手く会話が繋げない。でもこれをきっかけに、クラスでも馴染めるようになりたいな。

「ちゃんは普段部活のない日は、何してるの?」

「え!?う〜ん…何してるかなぁ、ぶらぶらして早めに帰ったり、学校でダラダラする日もあるよ」

千石くんが私に微笑む。

「クラスメイトと遊びに行ったりは?」

「…さっき言ったと思うけど、人見知りなんだってば!」

「あはは、ごめんごめん」

もう。
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