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罪と罰【終わりのセラフ】

第18章 執着




鳴海
「そいつらにまだ人間性が残ってるのか。時間と共に失われて別の生き物になってるのか。そのデータを取りたい」


鳴海はミカの目の前で立ち止まり、血をしっかりと見せる。


鳴海
「ずっと君を見てた。そろそろ腹が減る頃だから人を襲いたくなるだろ」

ミカ
「…くっ」

鳴海
「この血を見て君の中の人間性はどれくらい残ってる?」


先程ミカを仲間として信じると言っていたのにこの方法をとった鳴海。
空腹の吸血鬼にとってどれだけ残酷な事か人間には分からないだろうが、苦しげなミカが見えない訳がない。


鳴海
「私らがエサに見えるか?」

「いい加減に…」


あまりにも酷いやり方に止めようとした時、誰かが私よりも先に鳴海の腕を掴んだ。


君月
「こんなやり方は好きじゃない」


止めたのは君月。
動こうとした私を後ろ手で静止しながら厳しい表情で鳴海を見据えている。


鳴海
「これは遊びか?」


このやり方が正しいと思っている鳴海は不服そうな顔をして言い返した。


鳴海
「好き嫌いで決めたいなら君がお好みのやり方で仲間を守れよ」

君月
「………」


どちらも譲らない。
睨み合いが続いている内に鳴海の傷が修復されて塞がった。


ミカ
「…はぁ」


血の匂いが消えた事で楽になったミカ。
その様子に君月も安心した様に表情が和らいだ。
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