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罪と罰【終わりのセラフ】

第5章 フェリド・バートリー




強がり続けていた優ちゃんの本音にミカは悲痛な顔を浮かべていた。


ミカ
「そりゃ…」


辛そうにしながらも優ちゃんの問いに答えようとした時、こちらに吸血鬼が向かってくるのが見える。
それに気づいたミカは言葉を止めた。


優一郎
「あいつフード被ってねぇ…」

「貴族、かな?」


その吸血鬼は吸血鬼特有の赤い瞳に、銀色の長髪を1つに束ねた外国人のような外見。

私と優ちゃんは何故か笑顔でこちらへ来る吸血鬼に疑問を感じていた。
こんな時に頼りになるのはミカ。


「…!」


そう思いミカを見ると、ミカは無表情のまま吸血鬼を見つめていた。
だが、次の瞬間ミカは張り付けたような笑顔になる。


ミカ
「フェリド様!!」

優一郎
「は?」

「ミカ…?」


知り合いだったのかミカは吸血鬼の名前を呼ぶと、その吸血鬼に向かって駆け出した。


フェリド
「やあ、ミカくん」


フェリドと呼ばれた吸血鬼も親しげに答えている。


「もしかして…」


その様子を見て私は2人の関係性に気づいてしまった。
この吸血鬼にミカは血を提供しているのではないか。


「…っ」


もしそうならこの吸血鬼は血を提供してでも接触したい程の大物だ。
フェリドを警戒し、距離をとるために優ちゃんの後ろに隠れる。
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