第5章 第4話
( …本当に来てる )
愛莉と山内がマンションの下に降りると井沢が車で待機していた。
慌てて愛莉は後部座席のドアを開けた。
井沢「 二人とも遅いよ〜 」
井沢はふざけた笑みを浮かべながら話しかけた。
「 す、すみません… 」
愛莉は井沢の普段通りの笑みを見て少しホッとした。
山内「 すみません、遅くなりました 」
愛莉に続いて、山内も後部座席に入った。
「 …! 」
山内が後部座席に入っている間、ミラー越しに井沢と目が合った。
( え…… )
井沢の目は恐ろしく笑っておらず、射るような目でミラー越しに愛莉をじっと見つめていた。
井沢「 お楽しみだったようだねぇ 」
そう呟いた井沢の声はあまりにも低く、山内には届かず愛莉にのみ聞こえていた。
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